「恋愛ごっこ」をして過去に上書きしてみませんか?
第11話 「恋愛ごっこ」をホテルでしてみた!
待ち合わせの7時に少し遅れて紗恵が現れた。ここは市内の中心にある中堅のホテルのロビーだ。もうチェックインは済ませてある。ここでは人目につきやすいのですぐに最上階のレストランに向かう。夕食はコース料理を頼んでおいた。
今日は土曜日で人出が多い。水曜日にしようと約束していたが、その日は調整がつかないと紗恵から連絡があったので週末の土曜日に変更した。
僕たちは不倫をしている訳ではない。しかし、お付き合いをしていると周囲に公言している訳でもない。お互いに職場などで噂にならない方が良いことは分かっている。
紗恵の表情は明るい。市内で会っているのでいつもとは違った新鮮さがある。食事を始めたところで話しも始める。
「ごめんなさい。遅れてしまって」
「何かあったのですか?」
「姉にはこのことを話してあったのですが、美幸は私がいなくなると分かってぐずりだしたので、なだめて出てくるまでに時間がかかりました」
「お姉さんには何て言ってあるんですか?」
「泊まりがけの同窓会があると言ってあります。姉は薄々感じているかもしれません。私のために子供を預かってくれているのだと思います」
「紘一さんは大丈夫でしたか?」
「弟にどうしたのと聞かれました。紗恵さんと同じで泊まりがけの同窓会と言ってあります」
「子供を預かってもらうのに泊まりがけの適当な口実を見つけるのはなかなか大変だと分かりました」
「2週毎に月2回会うというのは難しそうですね」
「それで来るときに考えたのですが、今月の最終水曜日の宿はやめにして、来月の今ごろ、私のアパートへ紘一さん親子でお泊りに来ませんか? 土曜日なら早めに帰れますし、夕飯の準備もできますから、7時ごろにいらしてくれればゆとりがあります。それに弟さん夫婦にお子さんを預ける必要もありません」
「ご迷惑がかかりませんか?」
「紘一さんのお子さんが5歳で私の娘が2歳だから遊び相手にもなるかもしれませんし」
「それもありかと思いますので、そうさせてもらいます」
「提案をお受けいただいてありがとうございます」
食事中もお互いに求め合っていることが感じられて、この後のことが気になってしかたなかった。料理はまずまずだった。僕にはオーナー夫妻の素朴な料理の方が合っている。
二人は早々に食事を終えると部屋へ向かう。階下の部屋はチェックインした時に荷物を運んで確認してある。僕は紗恵の小さな旅行鞄を持っている。
部屋に入るとすぐに抱き合ってキスをする。僕はもう待てない。お互いの服を脱がせていく。紗恵がシャワーを浴びたいと言うので二人で浴室へ入った。確かに今まではこれができなかった。
紗恵が僕の身体をボディーシャンプーで洗ってくれる。お返しに僕が紗恵を洗ってあげる。手にボディーシャンプーをつけて身体を洗っていくと、紗恵はうっとりして脱力してしゃがみこんでしまった。ここまでと抱え起こしてシャワーで洗い流す。
バスタオルでお互いに身体を拭き合ってから、ベッドに倒れ込んで愛し合う。この2週間が待ち遠しかった。きっと1週間でも待ち遠しかっただろう。期間の問題ではない、逢わずにいられない、そう思った。
ここではもう誰にも遠慮はいらない。紗恵が快感の声を上げている。今まで聞いたことのない僕を鼓舞するような心に響く声だった。二人とも快感の深みに落ちていった。
◆ ◆ ◆
二人は少し眠っていた。紗恵が起き上がったので目が覚めた。
「シャワーを浴びてきます」
そう言って浴室へ入っていった。出てくると僕もシャワーを浴びた。愛し合った後のシャワーは気持ちいい。
ベッドへ戻ると、紗恵は冷蔵庫から水のボトルを取り出して僕に渡してくれた。冷たい水がおいしい。ほてった身体が少し冷えてくる。
「2週間が長くてとても待ち遠しかったわ」
「僕もそうだった。期間は関係ないと思った」
「どうしてこうも惹かれ合うのか分からないのです」
「身体の相性かもしれません。いや運命的なものかもしれません」
「赤い糸で結ばれているような?」
「そう思ってしまいがちですが、思い込みかもしれません」
「この前、錯覚かも知れないとおっしゃっていました。そうなのでしょうか?」
「僕は前に失敗しているから怖気づいているのかもしれません」
「私は前の主人とは全く違う感じがしています」
「いずれにしろ、二人には時間も必要だと思います」
「時間はいくらでもあります。ゆっくり時間をかけて『恋愛ごっこ』を続ければ良いのですから」
「次に会うまで1カ月あるけど、待てそうもない」
「それも試練の内かもしれません。そう思うのなら1か月分可愛がってください」
紗恵が抱きついてくる。1か月分を身体に覚え込ませるように僕は紗恵を思い切り愛し始める。
◆ ◆ ◆
目が覚めた。もう明るくなっていた。紗恵は腕の中で眠っている。いつ眠りに落ちたのか覚えていない。また、愛し合いたくなる。眠っている紗恵をかまわずに愛し始める。
「どうしたのですか?」
「まだ、1か月分可愛がっていない。気が済まないから」
「気の済むまで可愛がってください。今日はゆっくりできるから」
次に目が覚めたら8時を過ぎていた。ぐったりして眠っている紗恵を抱きしめた。目を覚ました。
「もうだめです。腰が怠くて起き上がれない。でも、すごく満たされています。ありがとうございました。この余韻で1カ月会わなくても大丈夫そうです」
小一時間ほど抱き合っていた。身体がようやく目覚めてきた。順番にシャワーを浴びて身づくろいをした。10時前にチェックアウトして別れた。
今日は土曜日で人出が多い。水曜日にしようと約束していたが、その日は調整がつかないと紗恵から連絡があったので週末の土曜日に変更した。
僕たちは不倫をしている訳ではない。しかし、お付き合いをしていると周囲に公言している訳でもない。お互いに職場などで噂にならない方が良いことは分かっている。
紗恵の表情は明るい。市内で会っているのでいつもとは違った新鮮さがある。食事を始めたところで話しも始める。
「ごめんなさい。遅れてしまって」
「何かあったのですか?」
「姉にはこのことを話してあったのですが、美幸は私がいなくなると分かってぐずりだしたので、なだめて出てくるまでに時間がかかりました」
「お姉さんには何て言ってあるんですか?」
「泊まりがけの同窓会があると言ってあります。姉は薄々感じているかもしれません。私のために子供を預かってくれているのだと思います」
「紘一さんは大丈夫でしたか?」
「弟にどうしたのと聞かれました。紗恵さんと同じで泊まりがけの同窓会と言ってあります」
「子供を預かってもらうのに泊まりがけの適当な口実を見つけるのはなかなか大変だと分かりました」
「2週毎に月2回会うというのは難しそうですね」
「それで来るときに考えたのですが、今月の最終水曜日の宿はやめにして、来月の今ごろ、私のアパートへ紘一さん親子でお泊りに来ませんか? 土曜日なら早めに帰れますし、夕飯の準備もできますから、7時ごろにいらしてくれればゆとりがあります。それに弟さん夫婦にお子さんを預ける必要もありません」
「ご迷惑がかかりませんか?」
「紘一さんのお子さんが5歳で私の娘が2歳だから遊び相手にもなるかもしれませんし」
「それもありかと思いますので、そうさせてもらいます」
「提案をお受けいただいてありがとうございます」
食事中もお互いに求め合っていることが感じられて、この後のことが気になってしかたなかった。料理はまずまずだった。僕にはオーナー夫妻の素朴な料理の方が合っている。
二人は早々に食事を終えると部屋へ向かう。階下の部屋はチェックインした時に荷物を運んで確認してある。僕は紗恵の小さな旅行鞄を持っている。
部屋に入るとすぐに抱き合ってキスをする。僕はもう待てない。お互いの服を脱がせていく。紗恵がシャワーを浴びたいと言うので二人で浴室へ入った。確かに今まではこれができなかった。
紗恵が僕の身体をボディーシャンプーで洗ってくれる。お返しに僕が紗恵を洗ってあげる。手にボディーシャンプーをつけて身体を洗っていくと、紗恵はうっとりして脱力してしゃがみこんでしまった。ここまでと抱え起こしてシャワーで洗い流す。
バスタオルでお互いに身体を拭き合ってから、ベッドに倒れ込んで愛し合う。この2週間が待ち遠しかった。きっと1週間でも待ち遠しかっただろう。期間の問題ではない、逢わずにいられない、そう思った。
ここではもう誰にも遠慮はいらない。紗恵が快感の声を上げている。今まで聞いたことのない僕を鼓舞するような心に響く声だった。二人とも快感の深みに落ちていった。
◆ ◆ ◆
二人は少し眠っていた。紗恵が起き上がったので目が覚めた。
「シャワーを浴びてきます」
そう言って浴室へ入っていった。出てくると僕もシャワーを浴びた。愛し合った後のシャワーは気持ちいい。
ベッドへ戻ると、紗恵は冷蔵庫から水のボトルを取り出して僕に渡してくれた。冷たい水がおいしい。ほてった身体が少し冷えてくる。
「2週間が長くてとても待ち遠しかったわ」
「僕もそうだった。期間は関係ないと思った」
「どうしてこうも惹かれ合うのか分からないのです」
「身体の相性かもしれません。いや運命的なものかもしれません」
「赤い糸で結ばれているような?」
「そう思ってしまいがちですが、思い込みかもしれません」
「この前、錯覚かも知れないとおっしゃっていました。そうなのでしょうか?」
「僕は前に失敗しているから怖気づいているのかもしれません」
「私は前の主人とは全く違う感じがしています」
「いずれにしろ、二人には時間も必要だと思います」
「時間はいくらでもあります。ゆっくり時間をかけて『恋愛ごっこ』を続ければ良いのですから」
「次に会うまで1カ月あるけど、待てそうもない」
「それも試練の内かもしれません。そう思うのなら1か月分可愛がってください」
紗恵が抱きついてくる。1か月分を身体に覚え込ませるように僕は紗恵を思い切り愛し始める。
◆ ◆ ◆
目が覚めた。もう明るくなっていた。紗恵は腕の中で眠っている。いつ眠りに落ちたのか覚えていない。また、愛し合いたくなる。眠っている紗恵をかまわずに愛し始める。
「どうしたのですか?」
「まだ、1か月分可愛がっていない。気が済まないから」
「気の済むまで可愛がってください。今日はゆっくりできるから」
次に目が覚めたら8時を過ぎていた。ぐったりして眠っている紗恵を抱きしめた。目を覚ました。
「もうだめです。腰が怠くて起き上がれない。でも、すごく満たされています。ありがとうございました。この余韻で1カ月会わなくても大丈夫そうです」
小一時間ほど抱き合っていた。身体がようやく目覚めてきた。順番にシャワーを浴びて身づくろいをした。10時前にチェックアウトして別れた。