❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛 第二部六年後再会
第一章 胸がドキドキする
ひとみは無事に男の子を出産した。
名前は力斗。
あれから五年、力斗はすくすくと成長した。
力也は我妻組組長と我妻コーポレーション社長を務め、忙しい日々を送っていた。
力斗のお守り役はテツである。
やんちゃ盛りで、ひとみは全てテツに頼っていた。
「力斗、なんで女の子をいじめるの?」
「だって……」
「テツ、なんとか言ってあげて」
するとテツは力斗に目線を合わせてこう言った。
「力斗坊ちゃんは、その女の子が好きなんっすよね」
力斗は恥ずかしそうに頷いた。
「自分に振り向いて欲しいっすよね」
二人の会話を聞いて、ひとみは口を挟んだ。
「それなら、逆効果でしょ、女の子は優しくしてくれる男の子を好きになるのよ」
「だって、あいつ、拓馬が好きだって言うんだ」
「三角関係っすね」
テツはそう言って笑った。
「笑い事じゃないわ、五歳で三角関係って早いでしょ」
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