❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛 第二部六年後再会
「力也さん、早いんですね」

「ああ」

「着替えてきます」

(ひとみ、山城とホテルで何をしていたんだ)

力也は問い詰めたい衝動に駆られた。

でも、もし、ひとみが山城を求めていたのならと思うと、

勇気がなかった。

このまま、ひとみがそのことに触れなければ、力斗の母親として、

自分のそばにいてくれるなら、目を瞑っても構わないと思っていた。

(なんて情けない男なんだ、俺は)

その夜、ひとみは力斗と一緒に眠った、いつものように。

ひとみはベッドに入って、山城とのことは忘れようと考えていた。

朝も、力斗を幼稚園に送り、いつもの朝だった。

力也は少し遅れて行くことにした。

「力也さん、お時間は大丈夫なんですか」

「ああ」

ひとみはキッチンを片付けていた。

力也はひとみを背中から抱きしめた。

「力也さん、どうしたんですか」

「妻を抱いちゃいけないのか」

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