麗しの年上社長は、私にだけ貪欲すぎる
「これは?」
テーブルに差し出された封筒を見て、美玲は首を傾げた。
「十日後、Classicalで行われるパーティーの招待状です」
招待状。そう聞き、美玲の表情はパッと明るくなった。
「よろしければ、ご家族でお越しください」
「ええ、もちろんです。楽しみです」
笑みを浮かべる美玲に、京助も笑みを返す。
「僕もです」
美玲は招待状を受け取ると、上機嫌で帰っていった。
姿が見えなくなったところで、京助は貼り付けていた笑みを消した。
「はあ……」
思わず出る深いため息。
(慣れないことはするものじゃないな)
だが、これも全て彼女とのため。そう思えば、この疲労など、どうってことなかった。
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