麗しの年上社長は、私にだけ貪欲すぎる
「それにしても……恐れ慄きましたよ。まさか、あなたがあそこまでするとは」
京助は、花井に美玲たちに関する悪どい情報集めさせ、それを餌に脅した。
「あれだけのことで済んで、感謝してほしいくらいだよ。それに、恐れ慄くはこっちのセリフだよ。花井があそこまでの情報を集めるとは思ってなかった。効果は敵面だったけど。僕より花井の方が悪だよね」
「ふふっ」っとおかしそうに笑う京助。
「分かっているでしょう。あなたにやれと言われれば、私はどんなこともするんです」
奈緒はやっと柵から解放され、自分の人生を歩めた。
そして、その隣には京助がいる。
「ありがとう、花井。おかげで大切な人が守れた」
電話を切ると、京助は寝室に戻った。
すやすやと気持ちよさそうに眠る奈緒の横、体を倒し、愛おしい寝顔を見つめた。
(君はまだ知らない。僕が君をどれほど愛しているのかを)
すーうっと指で頬を擦り上げると、奈緒は幸せそうに笑った。
(……時間はたくさんあるだ。焦らず、ゆっくり、教えていこう)
額に、頬に、そして唇にキスをすると、京助は奈緒の身体を抱きしめ目を閉じた。
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