悪役令嬢らしく全てを奪われ、断罪されたはずなのになぜかヤンデレ従者に溺愛されてます

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「いやいやいや、おかしいでしょう」
「ちっともおかしくはない」
「一人でできる」
「一人でしたことないでしょう。仮にできたとしても許可できません。万が一転んで頭を打ったらどうするんですか?」
「そんなに間抜けじゃない」
「危険がいっぱいなんです」
「せめて女の人に」
「あなたのお世話を他の人に任せる気はありません」
「お風呂ぐらい一人で入らせてよっ!」

◇◇◇

私の絶叫は虚しく部屋に響く。
「…………変態、最低」
結局イスファーンに体の隅々まで見られた挙げ句、洗われてしまった。
「お嬢様だって反応してたじゃないですか。触れる度に体がピクピクと反応し更には」
「言うなっ!」
顔から火が出そうな程恥ずかしいのに。恥ずかしさで死ねると思える程なのにイスファーンは嬉しそうだし。
これからずっとイスファーンにこんなことをされるのか…………。
私はイスファーンを懐柔して、この監禁状態を脱することができるんだろうか。
「なんです?」
「何でもない」
………………無理な気がする。
「あの程度で恥ずかしがってどうするんですか?これからもっと恥ずかしいことをするのに」
「えっ」
驚く私にイスファーンはそれはそれは美しい顔で「だって俺たちは夫婦になるんだから」と言った。
固まる私にイスファーンは軽くキスをして笑顔で脅迫する。
「まさか、嫌だなんて言いませんよね」
「っ」
イスファーンは優しく、撫でるような私の足、枷、鎖の順に触れていく。
「本当はね、枷ではなくいっそう足を切断してしまおうかとも思ったんです。そうすればあなたはどこにも行けないでしょ」
「どう、して。そうしなかったの?」
その方がイスファーンの気持ち的に楽だろう。
私は最悪だけど。
イスファーンは私の足を撫でたり、鎖を弄ったりして遊んでいる。
「髪の毛一本だろうとあなたを損なうのは嫌なんです。あなたのこの滑らかな足に触れられないと考えると切断はやはり躊躇いますね」
なら大丈夫と安心していいのだろうか。
「だからそれは最終手段に取っておくことにしました」
ああ、取っておくのね。
その手段は私的に捨ててくれて良かったのに。
「だから逃げないでくださいね」
太腿に頭を乗せて私を上目遣いで見上げてくるイスファーン。
世の女性が見たら鼻血を噴き出して失神しそうな光景だ。
私も思わずときめいちゃったよ。
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