好きを極めた乙女の駆け引き
しかし、その気持ちを表に出してはいけないのです。決して。
「仕事熱心……。わたしを褒めているようで、遠回しに自分を褒めているように聞こえますよ、生徒会長の安心院要さん?」
「そう聞こえたのなら、君の耳が腐っているのですよ、風紀委員長の御園さん」
「オホホホ。冗談がきついですよ、くそ野郎」
「ハハハハ。冗談に聞こえるとはまだまだですね、くそビッチ」
もう一度言います。決して、表に出してはならないのです。
生徒会長の安心院要。
風紀委員長の御園唯。
わたしたちは、名物と言われる、いつか観光名所になるかもしれないくらいの、犬猿の仲なのです。
観光名所になったら世界遺産に登録される日もそう遠くはない。それほどまでに仲が悪いと知られています。
相手も、わたしを邪険に思っています。
なので、絶対に知られてはならないのです。わたしの気持ちは。
……あ〜、ほんとは恋人になって、めちゃくちゃにイチャイチャしたい!