その執着は、花をも酔わす 〜別れた御曹司に迫られて〜
【新商品企画コンペ 結果】
【最終審査通過:七里香、雪中花音 以上二名】
「嘘……」
「すごいじゃないか、雪中さん。おめでとう!」
秘書室にいた柳さんが祝福してくれる。
「信じられない……」
嬉しい!
もちろん、発売が決定したわけではなく開発が始まるに過ぎない。
だけど、スタートラインに立てたことが嬉しい。
「コンペの結果、見たよ。おめでとう」
同行の車中で彼に言われる。
「……ありがとうございます」
彼は嬉しそうに笑っている。
「コンペのこと、教えていただいて……応募を勧めていただいて、ありがとうございました。夢が叶うかもしれないです」
あまりにも嬉しくて、私もつい笑顔を見せてしまった。
彼が一瞬驚いた顔をする。
「……反則だろ」
「え……」