雨降る夜に君を想う

仕事より大切なもの

そして次の日、まだ体調はすぐれなかったけど、精密検査で特に異常はなかったので、自宅に帰れる事になった。

偶然祐介と知り合いだった院長先生が玄関まで私たちを見送ってくれた。

「怜さん、特にどこかが悪いわけではないけど、このまま今の生活を続けたら、体調は良くならないと思うよ。またそのうち倒れると思う。怜さん働きすぎだよ〜。祐介、お前怜さんがお金の心配しないくらいもっと仕事頑張れよな〜。」

そう悪気なく先生が言う。冗談だとは思うけど、裕介が勘違いされているのは裕介に申し訳なくて、

「主人はすごく頑張ってくれていて、でも私が働きたいって言うので、主人が私の意見を尊重してくれてるだけなんです。この度はご迷惑おかけしました。」

そう言うと、

「そんなんですね、でも怜さん、体調が1番ですよ。今の仕事出来るなら一度辞めて、規則正しいリラックスした生活送らないと、そのうち大きな病気につながるかもしれませんよ。」
そう言われた。

家に帰って祐介とリビングでゴロゴロしていた。祐介とこうやって家でゆっくり過ごすの久しぶりだな〜。最近は毎日の祐介とのたった1時間の休憩時間も取れていなかった。祐介に寂しい思いをさせて、迷惑かけて、周りに祐介が悪いように勘違いされて、、、私が働く事で、祐介を不幸にしている気がしてきた。それにこのままだと、また会社にも迷惑かけちゃう、、、。祐介と相談して色々考えた結果、私は仕事を辞めることにした。

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