都合のいいオトコ

ハライシさんが来なくなってから、2日後──

「昨日は5時で、今日は2時って……。終わる時間バラバラやん」

「……ごめん」

私はミツルを待たしたり、寝てるところを起こしてもうたりして、毎日振り回してた。

「しばらくバラバラやと思うし、次からは送りの車を使うわ」

寝起きのミツルはめっちゃ怖かった。

私のせいで寝不足なんかな。寝起きの声が機嫌悪そうやし、改めて、悪いことをしてるなと実感した。

「や、ええよ。昨日は忘年会シーズンやからやろ? 12月は俺らも忙しいから、大変なんはわかるよ」

「……うん」

ほんまはそんな理由やない。

昨日はついてた席がなかなか帰らんかったからやし、今日は上がり待機になったから、そのタイミングで帰らせてもらっただけ。

ハライシさんのときは、私が帰る時間を決めることが多かったから、大体同じ時間にできてたけど、これからはそんなふうにはできんと思う。

「……」

この先もミツルを振り回すことになる。そう考えて、私は「送り迎えをしてもらうのはやめた方が良さそうやな」と考え始めてた。
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