都合のいいオトコ

乾かし終えてからも、ミツルは寝ようとせんくて。横になって、メイクをする私を眺めてくる。

「……なぁ」

「ん?」

「その下ってノーブラ?」

「……つけてますけど」

恥ずかしげもなく、下着を着用してるかどうかを聞いてくるミツル。

どこ見てんねんと恥ずかしくなった私は、メイクをしながら腕で胸もとを隠した。

「……なんでそんなこと聞くん」

スウェットやから胸が見える服でもないのに、と不思議がってたら──

「全然ふくらんでないから」

ミツルは悪びれる様子もなく、コンプレックスに触れてくる。

イラッとして、そばにあったクッションをミツルの顔に投げると、彼は面白がるように笑いながら、そのクッションを枕にしてた。

「まだ時間あるし、少し寝ときよ。起こすから」

「……んー。ちょっとだけ目つぶっとく」

横になったミツルのそばで、ポーチとドライヤーを片付ける。

そのあとも家着のまま、テレビをぼうっと眺めてたら──
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