都合のいいオトコ
「セフレのことがわかって、アイツも別れようとしててんけど、その彼女がミツルのせいにするから、別れたりはできんくて」
「……“ミツルのせい”? なんで?」
「アイツ、野球部やってんけど。部活で放ったらかしにしてたから、とか……」
ムッちゃんも初めて耳にする話やったみたい。黙って食べてたのに、元カノのセフレを作った理由を聞いた瞬間、「何それ」と口を挟んできた。
「そっから、アイツもマメに部活の後は彼女んちに通ったりもしててんけど。その女は結局、バイト先の年下の男ともそういう感じになってて」
「ええ……ミツルくん可哀想」
「俺もあんときは、マジで腹立ってさ……」
シューくんとムッちゃんが話す間、私はミツルの「好み」の話を思い出してた。
“ホンモノやったら何でもええかな”
“ホンモノ?”
“そう、ホンモノ。……よそ見せんと、ちゃんと1対1でやってくれてたら、外見とかはさほど気にせぇへん”
あのとき、ミツルは浮気されたことあるんかもって思ってたけど……。
「……」
浮気性の彼女で苦労したことがあった。そんな彼の目に私はどう映ってたんやろ。
“ええんちゃう? 健気やん”
そう言いながら笑ってたこともあったけど、ほんまはそんなふうに思ってなかったんかもしれん。
“お前……俺のこと、元カレが戻るまでの繋ぎにするつもりやったやろ”
“俺は、お前の都合のいいオトコになるつもりはない”
私に対して、警戒する気持ちがあったはず。
だから、「誰?」とか言うたりして、関わるのをやめようとしたんかもしれん。
「……“ミツルのせい”? なんで?」
「アイツ、野球部やってんけど。部活で放ったらかしにしてたから、とか……」
ムッちゃんも初めて耳にする話やったみたい。黙って食べてたのに、元カノのセフレを作った理由を聞いた瞬間、「何それ」と口を挟んできた。
「そっから、アイツもマメに部活の後は彼女んちに通ったりもしててんけど。その女は結局、バイト先の年下の男ともそういう感じになってて」
「ええ……ミツルくん可哀想」
「俺もあんときは、マジで腹立ってさ……」
シューくんとムッちゃんが話す間、私はミツルの「好み」の話を思い出してた。
“ホンモノやったら何でもええかな”
“ホンモノ?”
“そう、ホンモノ。……よそ見せんと、ちゃんと1対1でやってくれてたら、外見とかはさほど気にせぇへん”
あのとき、ミツルは浮気されたことあるんかもって思ってたけど……。
「……」
浮気性の彼女で苦労したことがあった。そんな彼の目に私はどう映ってたんやろ。
“ええんちゃう? 健気やん”
そう言いながら笑ってたこともあったけど、ほんまはそんなふうに思ってなかったんかもしれん。
“お前……俺のこと、元カレが戻るまでの繋ぎにするつもりやったやろ”
“俺は、お前の都合のいいオトコになるつもりはない”
私に対して、警戒する気持ちがあったはず。
だから、「誰?」とか言うたりして、関わるのをやめようとしたんかもしれん。