都合のいいオトコ
──あの後、アントから一度だけ連絡があった。
付き合う前から約束してたPLの花火に「行かへんか?」と言われたけど、私はアントに謝って、その誘いを断った
もちろん、花火はマコトとも行ってない。マコトはそういうの面倒くさがる人やから。
そんなことがあったのに、1ヵ月ちょっとで、私はまたマコトに捨てられて、ひとりぼっちになった。
──シャワーを済ませて風呂場の扉を開くと、部屋のほうからテレビの音が聞こえてきた。
「……」
ミツルは写真を見たんかな。
濡れた髪を拭きながら、私はゆっくり扉を開けた。