都合のいいオトコ
遊園地方面へ向かう中、私は写真の男について語った。
──出会ったのは、親のことで悩んでた時期。
ノリが軽くて遊んでそうやのに、つらいときはずっとそばにおってくれたこと。
昼間は解体屋、夜はホスト。昔ヤンチャをしてたことでお金が必要な生活で、ふたつ仕事してても、合間を縫って私のところまでずっと通ってくれた話。
逢いたくなってお店へ行こうとしたら、「客になるな」と怒鳴り散らされ、コンビニでは1円玉すら出すことも許されない話。
でも、私の気持ちのほうが大きくなった頃から、マコトはどんどん遠い存在になっていったこと。
一度も電話に出たことがなく、約束した場所にも現れない。何時間も外で待ちぼうけをした話や、他の女へ送るメールが届いた話。
でも、浮気を知った私がマコトの連絡先を拒否ると、一緒におる女の子のケータイまで使って、連絡をとろうとしてきたこと。
会いたい気持ちを伝え過ぎると、距離を置かれ、別れられる。でも、他の男を見始めたら、必死になってよりを戻そうとするところ。
大事にされてないのに、時々、愛されてる感じがして、諦めきれず、別れても連絡を待ち続けてる現状を、包み隠さず、全て伝えた。