らくがきと恋心
おまけ
「すみれー!さっきのイケメン軍団、知り合い?あのグレー髪の人だれ?」
教室に戻ると、環ちゃんが私の腕をひいて教室の隅で2人でしゃがみこんだ。
「いや…知り合いっていうか、画伯さん…かもしれないっていうか、本人だった」
「えーっ!!!うそでしょ!やっば」
きゃーっとまるで自分のことのようにはしゃぐ環ちゃん。
「クセのあるらしい私のノートの字で気付いたみたい」
「王道展開じゃん!やばすんぎ!
で、名前は?」
名前…?
「…聞いてない」
「えぇ?」
そうだ。また喋ろって言われたけど、名前も知らないや。
それに5組は理系クラスだから教室も遠いし、文系クラスの生徒が行くと、浮く。
「すみれの初恋は、前途多難だね」
環ちゃんがそう言って私の肩を叩いたと同時に予鈴が鳴った。
初恋って…。まだちがうのに。
て、“まだ”って何なの。
私、おかしい!
はたして、2人はまた喋れるのでしょうか。
end...?