王子様はマーメイドを恋の海に溺れさせて
「花梨ちゃんってば! パーティーなんて私達には分不相応! 第一お詫びしなきゃならないのはこちらでしょうに?」
「パーティーへ参加するのが、お詫びになるんじゃないんですかぁ〜?」
きょとんとする花梨ちゃん。根が素直なので社交辞令を真に受けている。あげく西園寺氏へ会話のバトンを渡した。
「私と奈美先輩が行ったら今回のお詫びになります? オーナーに西園寺さんに失礼だけはないよう言われてたのに。私が怒られるのは仕方ないけど、奈美先輩まで怒られるのは嫌なんで」
こちらの事情を西園寺氏は最後まで聞く。堪らず私が口を挟もうとすれば手を翳す。先程も発言を遮られたが、西園寺氏の指先に高圧的な印象は抱かない。
「お二人をパーティーへ招待したいからと言って強制はしない。それからマーメイドダイバーズのオーナーに不満も言わないよ」
「それは困ります! 業務評価は正当にお願いします」
「僕は失礼をされたと感じていないし、レッスンは楽しかったよ」
「西園寺さんが私達の処遇を気に掛ける必要はありませんので、オーナーへはありのままお話下さい」
西園寺氏からクレームが入ったとなれば大目玉を食らうのは必至。それでも手心を加えられた評価は要らないと訴える。
と、青い瞳が聞き分けのない小動物でも見る形に細められた。
「スポーツマンシップなのか、結城さんは相変わらず真っ向勝負だ」
「勝負? 私、している気はないですが?」
「パーティーへ参加するのが、お詫びになるんじゃないんですかぁ〜?」
きょとんとする花梨ちゃん。根が素直なので社交辞令を真に受けている。あげく西園寺氏へ会話のバトンを渡した。
「私と奈美先輩が行ったら今回のお詫びになります? オーナーに西園寺さんに失礼だけはないよう言われてたのに。私が怒られるのは仕方ないけど、奈美先輩まで怒られるのは嫌なんで」
こちらの事情を西園寺氏は最後まで聞く。堪らず私が口を挟もうとすれば手を翳す。先程も発言を遮られたが、西園寺氏の指先に高圧的な印象は抱かない。
「お二人をパーティーへ招待したいからと言って強制はしない。それからマーメイドダイバーズのオーナーに不満も言わないよ」
「それは困ります! 業務評価は正当にお願いします」
「僕は失礼をされたと感じていないし、レッスンは楽しかったよ」
「西園寺さんが私達の処遇を気に掛ける必要はありませんので、オーナーへはありのままお話下さい」
西園寺氏からクレームが入ったとなれば大目玉を食らうのは必至。それでも手心を加えられた評価は要らないと訴える。
と、青い瞳が聞き分けのない小動物でも見る形に細められた。
「スポーツマンシップなのか、結城さんは相変わらず真っ向勝負だ」
「勝負? 私、している気はないですが?」