孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
しかもまだぐったりしてる私に、パジャマまで着せてくれた。

「シーツ替えるから、あっちに座ってろ」

さらに私を抱えようとしたけれど。

「もう大丈夫、なので」

断ってひとりでベッドから降りようとした。
また、お姫様抱っこは恥ずかしすぎる。

「おっと」

しかし足がよろけた私を海星さんが慌てて支えてくれた。

「ほら、言うことを聞いておけ」

おかしそうに笑いながらそのまま支えてひとり掛けのソファーに座らせてくれる。

「ううっ、すみません……」

無駄に強がったうえに手を煩わせるなんて情けなさすぎるよ……。

「ちょっと待ってろ」

寝室を出ていった彼は少しして、グラスを片手に戻ってきた。

「喘ぎすぎて喉、乾いてるだろ」

右の口端をつり上げ、にやりと海星さんが笑う。

「うっ、意地悪です……」

でも言われるとおり喉は渇いていたので、グラスを受け取った。
中身はレモンフレーバーの炭酸水みたいだ。
そういえばキッチンに、炭酸水メーカーがあったな……。

私が炭酸水を飲んでいるあいだ、海星さんはシーツをテキパキと交換していっている。

「あの、私が……」

やるべきだよね。

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