孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
第四章 彼が社長になると決意した理由
週明け、月曜に砺波さんから婚姻届は無事に受理されたと連絡があったらしい。
仕事が速い。
私の本籍地はここから新幹線を使っても三時間はかかるのだ。

『これで夫婦だな』

なんて言ってその夜は海星さんにこれまで以上に愛された。
翌日、起きるのがつらくて一瞬、ずる休みを考えたほどだ。

結婚はまだ、会社には報告していない。
一士本部長から嫌がらせをされるだろうから、ギリギリまで秘密に……という話だが、それも今日終わる。

自分の実家に向かうというのに、運転している海星さんは緊張しているように見えた。

「うちの実家のケーキを手土産になんて大丈夫でしょうか……?」

後部座席に乗る箱をちらり。
私の実家は洋菓子店をしている。
海星さんは実家への手土産にうちのケーキを選んでくれたが、セレブの口にあうのか不安だ。
ちなみに頼んでいたケーキを取りに行ったら海星さんを見た家族が色めきだったが、またあとで来ると宥めて帰った。
実家には今日の夜、行く約束になっている。

「大丈夫だろ。
花音からもらった焼き菓子、美味しかったし。
あれでケーキがマズいとかなったら詐欺だろ」

「うっ」

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