孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
前に視線を戻した先では、母親が荒い息で彼にお茶をかけた姿勢のまま立っていた。
「気に障ったのなら申し訳ありません」
眼鏡も拭かず、また海星さんが畳に額をつける。
「親にも捨てられたお前を、育ててやった恩を忘れたか!」
さらにカップが海星さんに向かって飛んでくる。
それはごん、と重い音を立てて彼の後ろ頭に直撃したが、彼は微動だにしなかった。
「お母様には感謝しています」
「お前に母など呼ばれたくない!」
さらに彼に向かって罵声が飛ぶ。
どうしてここまでされなければいけないのだろう。
海星さんが――愛人の子、というだけで。
「申し訳ございませんでした」
「ふん!」
彼がこれ以上ないほど畳に額を擦りつけ、ようやく溜飲が下がったのか母親は腰を下ろした。
「式は花音さんのご親族のみで行いたいと思いますが、よろしいでしょうか」
「勝手にしろ。
お前の結婚式など誰も関心はない」
「ありがとうございます」
なんであんなに言われて海星さんはお礼を言うの?
口を挟みたい、けれどそれで彼の立場を悪くするのは申し訳なくてできない。
「話はそれだけか」
「気に障ったのなら申し訳ありません」
眼鏡も拭かず、また海星さんが畳に額をつける。
「親にも捨てられたお前を、育ててやった恩を忘れたか!」
さらにカップが海星さんに向かって飛んでくる。
それはごん、と重い音を立てて彼の後ろ頭に直撃したが、彼は微動だにしなかった。
「お母様には感謝しています」
「お前に母など呼ばれたくない!」
さらに彼に向かって罵声が飛ぶ。
どうしてここまでされなければいけないのだろう。
海星さんが――愛人の子、というだけで。
「申し訳ございませんでした」
「ふん!」
彼がこれ以上ないほど畳に額を擦りつけ、ようやく溜飲が下がったのか母親は腰を下ろした。
「式は花音さんのご親族のみで行いたいと思いますが、よろしいでしょうか」
「勝手にしろ。
お前の結婚式など誰も関心はない」
「ありがとうございます」
なんであんなに言われて海星さんはお礼を言うの?
口を挟みたい、けれどそれで彼の立場を悪くするのは申し訳なくてできない。
「話はそれだけか」