孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
彼の声は後悔に染まっていた。

「妊娠できなくて申し訳ない、とか考えていたんだろ?」

「……はい」

図星なだけに正直に頷いた。

「いいんだ、妊娠できなくたって。
子供は神様からの授かり物だ、こんなに簡単にできるとは思ってない」

「でも……」

海星さんは社長になりたいのだと言った。
その理由は尊敬できるものだったし、私も彼を絶対に社長にするのだと誓った。
なのに妊娠できなくてもいいと言われても戸惑ってしまう。

「なにがなんでも絶対に社長になりたいわけじゃない。
なれなかったらなれなかったで、どうやったら被害を最小限に抑えられるか考えればいいだけだ。
だからそんなに、花音が責任を感じる必要はない」

私を抱き締める彼の腕は優しい。

「そんな優しいこと言われたら、泣きそうになるじゃないですか」

出てきそうな涙を、鼻を啜って誤魔化す。
それでも私の声は鼻声になっていたが。

「そうか、すまん」

意外そうにまた、海星さんが謝る。

「私は海星さんが社長になるために、子供を産む道具です。
海星さんが社長になれなかったら、存在意義がないんです。
だからそんなこと言わないでくださいよ……」

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