孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
ちょっと情けなくて泣きそう。

「でも、休んで看病とかほんと、いいので。
ただの生理痛と二日酔いです。
寝てれば大丈夫ですから」

うんうん、これくらいで看病とか大袈裟すぎる。
それに二日酔いがなかったら今日も仕事に行っていたし。

「いや、でもな……」

「大丈夫!
なので!
うっ、いたっ」

力一杯、言い切ったせいでまた頭痛がした。

「……わかった」

私があまりに頑なで呆れたのか、海星さんが小さくため息をつく。

「でも、なんかあったらすぐ連絡しろ。
接待は断って早く帰ってくる」

「だから接待断るとかしなくていいので……」

「俺が!
心配なんだ!」

噛みつくように言われ、降参だと手を上げた。

「病気じゃないとわかってても、花音が苦しんでるのになにもできないってどれだけもどかしいかわかるか?
だからこれくらいさせろ」

本当に苦しそうに彼が顔を歪ませる。

「……はい」

気圧され気味に再び枕に頭を預けた。
そうか、海星さんはこんなにも私を心配してくれるんだ。
生理痛で唸っていても「メシは?」とか言ってきた誰かさんとは大違いだ。

< 164 / 248 >

この作品をシェア

pagetop