孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
海星さんがどんな顔をしているのか怖くて見られない。
今後について社長はいろいろ言っていたが、私の耳には入っていなかった。

めでたい日だから食事をしていけと料理が出される。
あんなに海星と同席すら嫌がっていた義母だが、一士本部長が後を継ぐと決まって機嫌がいい。

「ダイヤさん。
うちの一士の子供を身籠もってくれて、本当にありがとう」

「いえ、お義母様。
これも盛重の嫁の勤めです」

ちらりと私に視線を送り、これ見よがしに義母とダイヤさんがバカにするように笑う。

「そうよねぇ。
それにあちらの方は盛重の嫁ではないらしいし。
あら?
ならなぜ、こんなところにいるのかしら?」

私を嘲る笑いは続いていく。
けれど私はそれに反応する気力すらない。

「海星もせっかくその女と結婚したのに、無駄だったな」

一士本部長の指摘でぴくりと指が反応する。

「右田にその女を誘惑するように指示を出したオレも、無駄だったけど」

おかしくもないのに一士本部長が笑う。

「……指示を、出した?」

それであの日の、右田課長の不自然さに合点がいった。
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