孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
一昨日は借金を返せるだろうかとそればかりが心配で、ほとんど眠れなかった。
昨日も眠りについたのは遅く、正直にいえばまだかなり眠い。

「うん。
じゃあ俺は、いってくる」

今度は唇に、海星本部長が口付けを落としてくる。

「……いってらっしゃい」

それが恥ずかしくて、もそもそと布団に潜り込んだ。

彼が出ていき、眼鏡を外してベッドサイドにある棚に置き、布団の中で丸くなる。
すぐに再び眠気が襲ってきて、すぐに眠ってしまった。


「よく、寝た……」

それからどれくらい経ったのだろう。
すっきり目が覚めて、起き上がって大きく伸びをする。
こんなにゆっくり眠れたのはひさしぶりだ。

「何時だろう……」

部屋の中に時計はない。
寝室から出て、リビングのソファーに置いておいたバッグから携帯を取り出す。

「うっ」

画面を見て顔を顰める。
そこには私がかけたときにはあんなに繋がらなかった高志から、何件もメッセージと着信が入っていた。

「いまさらなんの用……?」

トークルームを開いてみたら、お金が必要だから用立ててほしいと、愛しているなどの言葉とともに送られてきていた。

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