孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
コーヒーを飲み終わり、カップを洗っていたら海星本部長が帰ってきた。

「おかえりなさい」

「ただいま」

出迎えるとちゅっと軽く唇が重なった。

「俺も着替えるからちょっと待っててくれ」

ネクタイを緩めながら彼が寝室へと消えていく。
少ししてハイネックカットソーにチノパン、それにジャケットとラフな格好で戻ってきた。

「じゃあ、行くか」

「はい」

一緒に部屋を出て地下駐車場へ行く。
昨日乗ったセダンへ向かいかけたら、止められた。

「今日はこっち」

海星本部長がロックを解除したのは、その隣に停めてあるミドルタイプのSUVだった。

「車、二台持ってるんですね」

車、しかも高級外車を二台も所有とはさすが御曹司とは思ったものの。

「いや、三台」

さらに隣の車を彼が指す。
そこには小型の車が停めてあった。

「これはプライベート用で、あっちは仕事用」

海星本部長が指したのは昨日乗った車だった。

「んでこっちはひとりで気ままに出掛ける用」

今度は反対側の車を指す。

「はぁ……」

用途によって車を使い分けているのはわかったし、別にかまわない。
< 77 / 248 >

この作品をシェア

pagetop