孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
とりあえず、高志に電話するが、繋がらなかった。
融資の書類にサインしたのが半月ほど前。
先程の男はいなくなったと言っていたし、最初からそのつもりだったのだろう。

「自業自得、……だよね」

はははと乾いた笑いが私の口から落ちていく。
だいたいこんな地味女、相手にするような男がいるわけがない。
いるとしたら身体目的か金目的かだ。
高志はその両方だったってわけだ。
なのに、慣れない甘い言葉を囁かれ、冷静さを失っていた自分が嫌になる。

「とりあえず、なんか割のいいバイト……」

床にぺたんと座り込み、バッグから携帯を出して掴む。
【高収入短期間】などと検索窓に打ち込んだ。

「……はぁーっ」

結果を見てまた、ため息が漏れる。
まともな職ばかりオススメされ、高時給も一五〇〇円。
一週間で三千万には圧倒的に足りない。
身体を売る気はさらさらないが、今度はそれでも夜職で検索をかけてみる。

「一ヶ月で一千万……」

キャバクラで人気なら月に一千万オーバーも夢じゃない、なんて見てまたため息が漏れる。
それでもまだ足りない。
それに地味な私が一千万も稼げるなんて思えなかった。

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