孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
「うん……まあ……」

しかし三千万は無理でも、一週間後にそれなりにまとまったお金を返せれば、男たちはさらに猶予をくれるんじゃないかという期待が持ち上がってくる。
それにやっぱりキャバ嬢がダメなら身体でお金を稼ぐしかないんだろうし、ならダメ元でやってみようと、体験入店を申し込んでみた。

「なんとかなりますように……!」

なんとなく、神様に祈ってみる。
ただ、問題は我が社は基本、副業禁止なので、バレたときだ。



体験入店は夜なので、昼間は普通に仕事へ行く。
当たり前だが会社はあまりにも普通で、三千万もの借金を背負わされたのが夢のように思えた。

どうにか定時までで仕事を終わり、昨日連絡を入れたキャバクラへと向かう。
即体験入店ではなく、会ってから決めるといわれていた。

「こりゃ地味なのが来たな」

私をひと目見るなり、年配の男性店長はあきらかにがっかりした顔をした。

「いや、昨日の電話からそんな気はしてたけどさ……」

煙草に火をつけ、面倒臭そうに彼が煙を吐く。

「なあ。
ここがどういう店かわかってる?」
< 9 / 248 >

この作品をシェア

pagetop