私の支えはあなたへの愛
桜が舞う4月の始業式

「瑠生ー!何組だった?」

「2組だったよ」

「まじ?うち4組離れちゃったね」

「離れても話すでしょ」

笑いながらそう返すと彼女も笑った

「それもそっか、じゃあクラスで別れてるぽいし行こ?」

彼女は板橋 麻央(いたばし まお)
前回同じクラスで、少し仲良くしていた友達だった

「じゃあ麻央またね」

「うん!!」

別に彼女への未練は無い
特別仲の良い親友でも無ければ、知り合いでもない

ただ同じ中学でお互いにあまり仲が良い友達が出来なかったから何となくくっついただけだった

TikTokを個人で投稿しているような子で、すごく気が合うわけでも無さそうだなーなんて思い適度な距離を保っていた

「「「瑠生ーーー!!!!」」」

「仁美に萌に愛真だ」

今走ってきたのは、
山本 仁美(やまもと ひとみ)と
佐藤 萌(さとう もえ)と
佐藤 愛真(さとう えま)だった

萌と愛真はただ苗字が被っただけの友達で、双子という訳ではない

「愛真が瑠生と同じクラスだったんだよ!ずるくない?」

「言うて仁美も喋れる人いるじゃん!!萌、喋れる人すらいないよ?」

「喋れるけどあんまり仲良くないもん」

「まあまあ2人ともうちを妬むなって!いいでしょー?瑠生と同クラで」

1番仲のいいグループ。
特に萌とは仲がいいけれど、このグループにも親友と呼べる友達はいなかった

思ったことは全部言ってくれるから顔色伺わなくていいなぁなんて思って、何となく入った
だけどみんなは変わり始めてた

「えてかさ!今日も吸う?」

そう言って煙草のポーズをする愛真

「吸うっしょコンビニ寄って帰ろ」

そう言う仁美の言葉に盛り上がる3人

「瑠生も来るー?」

そう誘う萌に苦笑いを浮かべながら返す

「ごめん今日バイトなんだわ」

何となく3人が変わっていったこと、取り残されていることは分かっていた
だけど、心の中にしまってある自分が珍しく大きな声で言うんだ『絶対に染まったらいけない』と、

「じゃあ新しい教室いこ!」

腕を絡ませてくる愛真に一言頷いて4人で歩き始めた
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