おさがり姫の再婚 虐げられ令嬢は姉の婚約者だった次期公爵様に溺愛される
53話 国王補佐の正体
ビクッとしたシュゼットは、顔をあげて息をのんだ。
初めてまともに見たラウルの顔つきは、いつもの彼とは異なっていた。
剣のようにつり上がった瞳は丸く、眉間の皺も薄れて、細い眉は真横に伸びる。
覇気が抜けたその顔は、
「ダーエ先生?」
シュゼットが焦がれて止まない小説家そっくりだった。
そっくりというレベルではない。
前髪を下ろしたらエリックそのものだ。
(こんなことがあるのでしょうか)
今まで、ラウルの顔をしっかり確認したことはない。
シュゼットの視界はベールにさえぎられているし、恐怖感から直視してこなかった。
でも、この至近距離で見つめ合えばさすがに分かる。
シュゼットを抱き寄せた腕の感触は、雨の晩に抱きしめてくれたエリックと同じだ。
(どうして)
初めてまともに見たラウルの顔つきは、いつもの彼とは異なっていた。
剣のようにつり上がった瞳は丸く、眉間の皺も薄れて、細い眉は真横に伸びる。
覇気が抜けたその顔は、
「ダーエ先生?」
シュゼットが焦がれて止まない小説家そっくりだった。
そっくりというレベルではない。
前髪を下ろしたらエリックそのものだ。
(こんなことがあるのでしょうか)
今まで、ラウルの顔をしっかり確認したことはない。
シュゼットの視界はベールにさえぎられているし、恐怖感から直視してこなかった。
でも、この至近距離で見つめ合えばさすがに分かる。
シュゼットを抱き寄せた腕の感触は、雨の晩に抱きしめてくれたエリックと同じだ。
(どうして)