おさがり姫の再婚 虐げられ令嬢は姉の婚約者だった次期公爵様に溺愛される
完結記念SS② 次期公爵様の独占欲
「こ、これ全部いただいていいのですか……?」
シュゼットは豪華な装飾がほどこされた本棚を見上げて震えた。
「ああ。全て君のために集めた」
ラウルはなんとはなしに言うけれど、ヒストリカル文学や有名な詩人の全集といった貴重な本をここまでそろえるのは大変だったろう。
特に充実しているのは恋愛小説だ。
シュゼットがルフェーブル公爵邸での暮らしをスタートさせたのが数日前。
ラウルの告白を受け入れて宮殿から移動したら、すでに部屋が用意されていた。
ローズピンクを基調としたクラシカルな一室は貴族令嬢らしい慎ましさで一目で気に入った。
しかし、手紙を書くためのライティングテーブルはあっても本棚はなかった。
残念に思っていたところ、朝食の時間にラウルが「君にプレゼントを贈りたい」と言い出して、部屋に戻ってみたら本がぎっしり詰まった本棚が出窓のそばに置いてあったのだ。
目をきらきらさせて感激するシュゼットに、ラウルは愛おしそうなまなざしを送る。
「気に入ってくれて嬉しい。俺のおすすめの本を入れてあるが自由に入れ替えてくれてかまわない。好みにあわない物は捨ててくれ」
「いいえ。ラウル様が選んでくださったものですから、全て読んで大切にします。下段は恋愛小説なんですね。エリック・ダーエ先生の作品ばかりのようですが……」
「君は、他の作家の本も読むのか?」
シュゼットは豪華な装飾がほどこされた本棚を見上げて震えた。
「ああ。全て君のために集めた」
ラウルはなんとはなしに言うけれど、ヒストリカル文学や有名な詩人の全集といった貴重な本をここまでそろえるのは大変だったろう。
特に充実しているのは恋愛小説だ。
シュゼットがルフェーブル公爵邸での暮らしをスタートさせたのが数日前。
ラウルの告白を受け入れて宮殿から移動したら、すでに部屋が用意されていた。
ローズピンクを基調としたクラシカルな一室は貴族令嬢らしい慎ましさで一目で気に入った。
しかし、手紙を書くためのライティングテーブルはあっても本棚はなかった。
残念に思っていたところ、朝食の時間にラウルが「君にプレゼントを贈りたい」と言い出して、部屋に戻ってみたら本がぎっしり詰まった本棚が出窓のそばに置いてあったのだ。
目をきらきらさせて感激するシュゼットに、ラウルは愛おしそうなまなざしを送る。
「気に入ってくれて嬉しい。俺のおすすめの本を入れてあるが自由に入れ替えてくれてかまわない。好みにあわない物は捨ててくれ」
「いいえ。ラウル様が選んでくださったものですから、全て読んで大切にします。下段は恋愛小説なんですね。エリック・ダーエ先生の作品ばかりのようですが……」
「君は、他の作家の本も読むのか?」