もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「お兄ちゃん、乱暴はやめて! 本当になんでもないんだから!」
大きな声を出したら、また頭ががんがん痛みだす。
もう、嫌だ。
玲伊さんはまったく抵抗を見せずに、兄に掴まれたままの恰好で頭を垂れた。
「浩太郎。頼む。5分だけでいいから、優ちゃんと二人で話をさせてくれ」
兄は玲伊さんの目をまっすぐに見た。
彼も目を逸らさない。
少しの間、ふたりともそのままの状態でいた。
「どうしてもか」
「ああ」
兄が先にふっと体から力を抜くと、玲伊さんから手を離し、わたしを見た。
「お前はどうなんだ。玲伊と話がしたいのか」
「わたしは……話したくない。玲伊さん、もう帰ってください」
「いや、優ちゃん」
どんな言い訳も聞きたくなかった。
わたしは「失礼します」と頭を下げて、居間に上がってしまった。
でも少しだけ、その場にとどまって、外の様子を伺った。
兄と玲伊さんが低い声で話しているのが聞こえてきたけれど、喧嘩してはいなかったので、ほっと息をついてからわたしは二階に上がった。
大きな声を出したら、また頭ががんがん痛みだす。
もう、嫌だ。
玲伊さんはまったく抵抗を見せずに、兄に掴まれたままの恰好で頭を垂れた。
「浩太郎。頼む。5分だけでいいから、優ちゃんと二人で話をさせてくれ」
兄は玲伊さんの目をまっすぐに見た。
彼も目を逸らさない。
少しの間、ふたりともそのままの状態でいた。
「どうしてもか」
「ああ」
兄が先にふっと体から力を抜くと、玲伊さんから手を離し、わたしを見た。
「お前はどうなんだ。玲伊と話がしたいのか」
「わたしは……話したくない。玲伊さん、もう帰ってください」
「いや、優ちゃん」
どんな言い訳も聞きたくなかった。
わたしは「失礼します」と頭を下げて、居間に上がってしまった。
でも少しだけ、その場にとどまって、外の様子を伺った。
兄と玲伊さんが低い声で話しているのが聞こえてきたけれど、喧嘩してはいなかったので、ほっと息をついてからわたしは二階に上がった。