もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 彼女はベッドに腰を下ろすと、わたしの額に手を当ててきた。

「どうだい? 頭痛は」
「うん。薬飲んだから、だいぶましになった」

「優紀。よければ何があったか、あたしに話して聞かせてくれないか」
「うん」

 わたしは起き上がって、ヘッドボードに背中を預けた。
 そして、ぽつりぽつり話をはじめた。

 子供のころから、ずっと玲伊さんが好きだったこと。
 でも大人になってからは、その想いに蓋をしていたこと。
 会えば会うほど、一緒にいればいるほど、彼と自分の違いを知って、辛くなったこと。
 そして、どう頑張っても敵わない、素敵な彼女がいるらしいこと。

「玲伊さんはとっても優しくしてくれる。でもそれはお兄ちゃんの妹だからだし。それがどうにもつらくて」

 俯くわたしの髪を、祖母は優しく撫でてくれる。

「でも、今の話は全部、優紀ひとりが考えていることだね。玲ちゃんと話し合ったことはないんだろう」

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