もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 祖母は膝に手をおくと、よいしょっと言って、立ちあがった。
 そして「夕飯、おいておくから、食べたいときに食べればいいよ」と言って、部屋から出ていった。

 予想はしていたけど、その夜はまったく眠れなかった。

 窓の外が白んできたころ、ようやく気持ちが落ち着いてきて、おばあちゃんのいうとおり、とにかく一度玲伊さんと話さなければならない、と思えるようになった。

 自分の気持ちをすべて明かして、これからの身の振り方を考えなければならない。
 今からモデルを降りるのが無理なら、せめてヘアメイクは玲伊さん以外の人にしてもらいたい。

 気持ちを打ち明けて砕け散った後、あのサロンでふたりきりになるのは、もう耐えられないから。
 




 
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