もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
週末、たまたま訪れた郊外のショッピングセンターで、銃の乱射事件に巻き込まれてしまったのだ。
しかも、笹岡さんの婚約者が彼女をかばって犠牲となってしまった。
婚約者を目の前で失った事実は計り知れないほど大きなもので、立ち直れないほどのショックを彼女に与えた。
「わたしはそれからすぐ、日本に帰って、仕事もせずに実家に引きこもっていたわ。その間もオーナーは何かと気にかけてくれていた。3年後〈リインカネーション〉の立ち上げメンバーに誘ってもらって、ようやく仕事を始めることができたの。思い出したのよね。彼、わたしが仕事をしているところが好きだと言ってくれたこと。きっと、家に引きこもっているわたしを見たら、がっかりするだろうと」
あまりにも衝撃的な事実に、わたしはどういう表情をすればいいのかわからず、下を向いてただ「そんな……」と一言呟いた。
目に涙がにじんできた。
わたしは慌てて、ハンカチを出して目に当てた。
そんなわたしを優しい眼差しで見つめながら、彼女は続けた。
「オーナーに大変な恩義を感じていることは確かだけど、恋愛感情を抱いたことは一度もないのよ。わたしは亡くなった彼しか愛せないから。話はこれで全部。後は信じていただくしかないのだけれど」
彼女は口元にかすかに笑みを浮かべた。
しかも、笹岡さんの婚約者が彼女をかばって犠牲となってしまった。
婚約者を目の前で失った事実は計り知れないほど大きなもので、立ち直れないほどのショックを彼女に与えた。
「わたしはそれからすぐ、日本に帰って、仕事もせずに実家に引きこもっていたわ。その間もオーナーは何かと気にかけてくれていた。3年後〈リインカネーション〉の立ち上げメンバーに誘ってもらって、ようやく仕事を始めることができたの。思い出したのよね。彼、わたしが仕事をしているところが好きだと言ってくれたこと。きっと、家に引きこもっているわたしを見たら、がっかりするだろうと」
あまりにも衝撃的な事実に、わたしはどういう表情をすればいいのかわからず、下を向いてただ「そんな……」と一言呟いた。
目に涙がにじんできた。
わたしは慌てて、ハンカチを出して目に当てた。
そんなわたしを優しい眼差しで見つめながら、彼女は続けた。
「オーナーに大変な恩義を感じていることは確かだけど、恋愛感情を抱いたことは一度もないのよ。わたしは亡くなった彼しか愛せないから。話はこれで全部。後は信じていただくしかないのだけれど」
彼女は口元にかすかに笑みを浮かべた。