もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「嘘! そんなことあり得ない」

 はっと辺りを見回す。
 でも、BGMが流れていたし、他のお客さんはそれぞれの話に夢中なようで、こっちを見ることはなかった。

 わたしはほっとして、同時にそわそわと落ち着かなくなって、アイスティーのグラスを引き寄せて、ストローを(くわ)えた。

 その間、玲伊さんはずっとわたしを見つめ続けていた。

「嘘なんかじゃない。小学生のときも中学生のときも再会してからも、ずっと優ちゃんが可愛くて仕方がないんだ」

 ストローから口を離して、わたしはもう一度言った。

「そんな……訳ない」
「どうして?」
「だって、わたしは玲伊さんと釣り合わなさすぎるから」
「誰が決めたの、そんなこと」
「誰がって……」

「優ちゃんはいつも一生懸命で、そしていつも人のことを第一に考える優しい心の持ち主だ。そんな君が好きなんだよ。意地っ張りでちょっと素直じゃないところも、俺にとってはたまらなく可愛い」

「でも……でも……やっぱりそんなことあるはずが」

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