もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 「玲伊さん。ひょっとして、わかっていたんですか? わたしの気持ち」

 そう言うと、彼はわたしの方を向き、目を細めて、ちょっといたずらっぽい眼差しで見つめた。

 「少しはね。いや、確信があった訳じゃないよ。そうならいいなとは思ってだけど」


 彼はわたしから手を離して、それから自分のアイスコーヒーに手を伸ばした。
 一口飲んでから、話を続けた。

 「いや、今まで怖くて告白できなかったんだよ。優ちゃんに振られたら、プロジェクトを続けられなくなると思っていたから。あんなことになったのは本当に残念だけど、もうこの気持ちを伝えるのに躊躇(ちゅうちょ)しなくてもいいんだとも思ったよ」

 わたしはせわしなく目を泳がせていた。
 ただただ戸惑うことしかできない。

 「でも、まだ信じられないです……こんなことがわたしの身に起こるなんて」

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