もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
あのころ、わたしを嘲笑していた彼女や取り巻きの顔が脳裏にはっきりと浮かんでくる。
彼女に会ったら、一気に時が逆戻りしてしまいそう。
「でもわたし……桜庭さんに会いたくない」
そう言って、下を向いた。
玲伊さんは、髪に絡めていた指を外すと、座っているわたしを椅子ごと抱きしめ、後ろから顔を寄せてきた。
そして、穏やかな声音で話を続けた。
「怖がらないでいい。優紀には俺がついているだろう」
「でも……」
「いや、会うべきだと思うよ。そうしないと、あのころの優紀から、本当の意味で卒業できないよ」
卒業……か。
玲伊さんが腕に一層の力をこめる。
「俺に任せてくれないか」
うなじに口づける彼の唇に身を震わせながら、でも不思議な安心感に心が満たされてゆく。
そうだ、あのころのわたしには玲伊さんはいなかった。
彼さえいてくれれば、そして彼を信じていれば、何も怖いことなんてない。
わたしは、やりますと言って、頷いた。
「実は最近、自分でも体が鈍ってるなって思ってたところなので、ちょうどいいかも」
彼女に会ったら、一気に時が逆戻りしてしまいそう。
「でもわたし……桜庭さんに会いたくない」
そう言って、下を向いた。
玲伊さんは、髪に絡めていた指を外すと、座っているわたしを椅子ごと抱きしめ、後ろから顔を寄せてきた。
そして、穏やかな声音で話を続けた。
「怖がらないでいい。優紀には俺がついているだろう」
「でも……」
「いや、会うべきだと思うよ。そうしないと、あのころの優紀から、本当の意味で卒業できないよ」
卒業……か。
玲伊さんが腕に一層の力をこめる。
「俺に任せてくれないか」
うなじに口づける彼の唇に身を震わせながら、でも不思議な安心感に心が満たされてゆく。
そうだ、あのころのわたしには玲伊さんはいなかった。
彼さえいてくれれば、そして彼を信じていれば、何も怖いことなんてない。
わたしは、やりますと言って、頷いた。
「実は最近、自分でも体が鈍ってるなって思ってたところなので、ちょうどいいかも」