もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「相変わらず初々しいね。可愛いよ」
 玲伊さんは髪にキスを落とすと、さっとわたしの手を掴んでバスルームに向かった。
 
***

 バスルームに入ると、まず、洗面所の鏡の前に座るように言われた。
「ちゃんと毎日、ブラッシングしてた?」

 鏡のなかの玲伊さんがそう尋ねてくる。
 なんだかこの感じ、とても懐かしい気がする。
 
「うん、玲伊さんに言われたとおり、朝晩とシャンプーの前に」
 彼はブラシを手に取り、毛先からやさしくブラッシングを始めた。

「本当だな」
「わかるの?」
「ああ、ちゃんと手をかけているかいないか、手触りですぐわかる」
「さすがはカリスマ美容師」
「こら、ちゃかすな。よし、じゃあ立って」

 立ちあがると、彼はわたしの前に来て、ブラウスのボタンを外しはじめる。

「じ、自分でできるから」
 慌ててそう言うと、彼は軽くキスして声を落として囁く。

「俺にやらせてよ」

 困るのは、そのすべてが鏡に映っていることだ。
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