もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
桜庭乃愛がうちのスタッフたちを下に見て、小バカにする態度も許せなかったが、なにより、こいつが優紀を苦しめたのかと思うと、今すぐ、ここから追い出したいという気持ちがすぐに頭をもたげてきた。
このひと月あまり、そんな自分を宥めるのにひと苦労だった。
「ねえ、ちょっと香坂さんと二人にしてくれない」
高飛車に言う桜庭に、笹岡は一礼して、出口に向かった
俺はその後ろ姿に「あれ、よろしくな」と声をかけた。
彼女は振り返り「わかりました」と言うと、部屋から退出した。
ドアが閉まったとたん、桜庭は笹岡に対するときとは、人が変わったような猫なで声で話しはじめた。
「今日でもう香坂さんにお会いできないなんて、乃愛、ほーんとにつまらない。ねえ、今度、家に遊びに来て。おじい様にも『一度、お前の憧れの香坂くんを連れてきなさい』と言われてるの」
モデルを途中で交代させるという今回の暴挙は、お嬢様のわがままというだけでなく、俺と桜庭をくっつけたいという、彼女の祖父、桜庭茂三郎の意向が働いていたようだった。
このひと月あまり、そんな自分を宥めるのにひと苦労だった。
「ねえ、ちょっと香坂さんと二人にしてくれない」
高飛車に言う桜庭に、笹岡は一礼して、出口に向かった
俺はその後ろ姿に「あれ、よろしくな」と声をかけた。
彼女は振り返り「わかりました」と言うと、部屋から退出した。
ドアが閉まったとたん、桜庭は笹岡に対するときとは、人が変わったような猫なで声で話しはじめた。
「今日でもう香坂さんにお会いできないなんて、乃愛、ほーんとにつまらない。ねえ、今度、家に遊びに来て。おじい様にも『一度、お前の憧れの香坂くんを連れてきなさい』と言われてるの」
モデルを途中で交代させるという今回の暴挙は、お嬢様のわがままというだけでなく、俺と桜庭をくっつけたいという、彼女の祖父、桜庭茂三郎の意向が働いていたようだった。