もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 その言葉に、桜庭乃愛は目を輝かせる。
「まあ、嬉しい。そのパーティーの会場はここのレストランよね。みんな喜ぶわ。何人ぐらい?」

「お呼びになりたい方、全員で構いませんよ。人数が決まったら、笹岡にご連絡いただけますか」
「わかったわ」

 事務所にもどり、笹岡に偽の連絡の礼を言った。
 そうでもしないと、彼女は、なかなか腰を上げないから。

「一周年記念の日だが、ディナー・パーティーに桜庭さんの友人もゲストとして招くことにした。後日、人数を連絡してくるから、その分、予定しておいてくれ」

「彼女の友人を?」
「ああ、ちょっと考えがあってね」

「わかりました。ではパーティーはマスコミには非公開と伝えておきます。ただ、あまり無謀なことはなさらないでいただかないと。最近はSNSや何かで情報が出回ることもありますから」

「わかってるよ。ただ、ちょっとだけ、あの我儘姫の鼻をあかすことができたらいいなと思ってね」
「くれぐれもお手柔らかに」
「はいはい。わかってる」

 本当にわかってるのか、と言いたげに、笹岡が眉を(しか)めた。

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