もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
今回の宿泊先は、昭和初期にある皇族の別荘として建てられたという由緒ある温泉旅館の離れの一室。
調度や欄間などは当時のものが使われており、レトロな雰囲気が素敵だ。
とはいえ、数年前に改装されているので、古びた印象はまったくない。
そして、二人で使うにはもったいないほど広くて立派なヒノキの露天風呂が部屋についている。
「こんな素敵な旅館、はじめて……」
部屋に入り、感嘆の息を漏らすと、彼は肩を抱いて「気に入った?」と聞いてくる。
「うん、とっても」というと「それは良かった」と言って、わたしを胸に抱きこんだ。
そして、囁く。
「一度、一緒に布団で寝てみたかったんだ。ベッドとまた違って趣があるだろう? 浴衣っていうのもいいし」
「そういう下心があったんだ」
「そういうのは、嫌?」
どうして、いちいち聞いてくるんだろう。もう。
そのまま答えるのはちょっと癪に障ったので、背伸びして彼の耳に直接言葉を吹き込んだ。
「い、や」
「なんで?」
そう言って、彼はわたしの腰を引き寄せ、顔を覗き込んでくる。
「……なわけない」
わたしの答えに、彼はゆっくり笑みを作り、それからわたしの唇に軽くキスした。
調度や欄間などは当時のものが使われており、レトロな雰囲気が素敵だ。
とはいえ、数年前に改装されているので、古びた印象はまったくない。
そして、二人で使うにはもったいないほど広くて立派なヒノキの露天風呂が部屋についている。
「こんな素敵な旅館、はじめて……」
部屋に入り、感嘆の息を漏らすと、彼は肩を抱いて「気に入った?」と聞いてくる。
「うん、とっても」というと「それは良かった」と言って、わたしを胸に抱きこんだ。
そして、囁く。
「一度、一緒に布団で寝てみたかったんだ。ベッドとまた違って趣があるだろう? 浴衣っていうのもいいし」
「そういう下心があったんだ」
「そういうのは、嫌?」
どうして、いちいち聞いてくるんだろう。もう。
そのまま答えるのはちょっと癪に障ったので、背伸びして彼の耳に直接言葉を吹き込んだ。
「い、や」
「なんで?」
そう言って、彼はわたしの腰を引き寄せ、顔を覗き込んでくる。
「……なわけない」
わたしの答えに、彼はゆっくり笑みを作り、それからわたしの唇に軽くキスした。