もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 わたしのおくれ毛を指で弄びながら、彼は耳元に囁く。

 「俺にもっと、そうだな、『もう嫌』って、優紀が言いたくなるぐらい、可愛がられること」
 言葉とともに、首筋に唇が這いはじめる。

 「やん……くすぐったいよ……玲伊さん」
 「体が満たされることも、綺麗になるために必要なことだからね」

 それから、ふたりで露天風呂に入り、さっきの宣言どおり、彼の不埒な指にさんざん喘がされて、あやうくのぼせかけた。

 食事は部屋食の会席料理。
 
 はじめこそ、おとなしく向かいあって食べていたけれど、だいぶお酒が入ってから、彼は胡坐をかいている自分の上にわたしを乗せてしまった。

 そのまま平然と箸を進めている。
 
 一方のわたしはどきどきして、食事どころじゃなくなった。
 だって、いつ仲居さんが入ってくるかわからないのだから。

 「ぜんぜん飲んでないな。ほら、口、開けてごらん」

 彼はわたしを振り向かせると、自分の口に冷酒を含んで、そのまま口づけしてくる。

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