もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~

 ***
 
 食事をした部屋の奥、引き戸の向こうは真っ白なカバーがかけられた、見るからにふかふかの布団が二組敷いてあった。

 枕元の行燈(あんどん)がなんだか艶めかしくて、思わず頬が熱くなる。

 部屋に入ると玲伊さんは、わたしを抱き寄せて、布団の上に座らせた。

 後ろに回り、首の後ろや肩口に口づけを落としながら、浴衣の襟元に手を差し入れてくる。
 すぐに探り当てられた胸の先端をしごくようにつままれ、わたしはすぐに、息を荒げてしまった。

 「やっぱり浴衣はいいな。家でも浴衣で寝ることにしようか」

 「で、も、う……ん、あっ」
 息が上がって答えられない。

 だって、もう片方の手で、同時に裾も割られていたから。

 そして、なんなく帯をほどかれてしまう。

 はだけた胸元に口づけをしながら、玲伊さんは耳元で囁く。

 「だいぶ酔ったね。胸のあたりまで薄桃色に染まって、すごく色っぽいよ」
 「玲伊さんが……飲ませるから」

 その言葉に、口をかすかに歪める玲伊さんのほうが、数万倍、色っぽい。

 ほの暗い部屋のなか、はだけた浴衣から逞しい胸板がのぞいていて、目のやり場に困ってしまうほど。

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