もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「でも、もうわたし、玲伊さんと離れられないよ。それは玲伊さんもわかっているものだと思ってたけど」

「言葉にしないと本当に伝わったことにはならないよ」
「うん、そうだね……」

 彼はわたしの肩に腕を回して、建物の方に歩みだした。
 そして、わたしの髪に口づけを落として、言った。

「これからもそうだよ。なんでも言い合える夫婦になろう」
「うん」

 玲伊さんの言葉の意味はきちんと伝わっていたけれど、わたしはそれよりも夫婦という言葉に敏感に反応して、にやけ顔になってしまった。

 暗くてよかった。

 さすがに、こんな締まりのない顔見せたら、また笑われてしまいそうだ。

 こうして、一生忘れることのできない3日間のバカンスは、あっという間に過ぎていった。

 東京に帰ってから、玲伊さんは休日のツケが回ってきたのか、前にも増して忙しく、なかなかゆっくり一緒に過ごせなかった。

 その合間を縫って、結婚の意向を告げるため、玲伊さんのご両親を訪問した。
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