もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
第10章〈最終レッスン〉一周年記念パーティーにて

 翌月の9月20日。
 とうとう〈リインカネーション〉の一周年の日がやってきた。

 当日の主なイベントは二つ。
 〈シンデレラ・プロジェクト〉関連のイベントと記念のディナーパーティー。

 パーティーは午後7時から、2階のフレンチレストラン〈ルメイユール・プラ〉にて開催された。

 
 ビル前に続々と車が到着し、美しく着飾ったゲストを下ろして走り去っていく様子が、1時間ほど前から続いている。
 さながら、海外セレブが集うパーティー会場の様相だ。

 8階のVIPサロンの窓からその様子を眺めていると、支度を手伝ってくれていた律さんが、声をかけてきた。

「今回のゲスト、もう、本当にすごいですよ。政財界の要人の奥様やご令嬢を筆頭に、大使と大使夫人でしょう、それから超有名女優の椿谷志帆、モデルの斉木マリア……みんなオーナーの顧客なんですよね」

 今朝、受付担当からリスト見せてもらって、と興奮した様子で話している。

「でも、優紀さん、女優さんやモデルさんにも、まったく引けを取っていないですよ。本当に最近は、つい見とれちゃうほど綺麗。幸せいっぱいだからですかね。正直に言うと、はじめてお会いしたときは、そこまでとは思ってなかったんですけど」
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