もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
わたしは軽くため息をついてから、律さんに視線を向けた。
「そんな、手放しでほめてくれるのは律さんだけだと思うけどな」
「何、言ってるんですか。そんなこと言ったら、オーナーが泣きますよ。俺がどれだけ手をかけてきたと思ってるんだって。今日は大切なお披露目の日なんですから、堂々としていないとだめですよ」
「その通りだよ、よく言ってくれたね、岩崎」
目を向けると、いつのまにかそばまで来ていた玲伊さんがこちらを見て微笑んでいる。
彼も、もちろん正装。
黒のテイルコートに身を包んでいる。
「ありがとう、岩崎。こっちはもういいから受付の手伝いに回ってくれるかな」
「了解です。じゃあ、優紀さん、後で」
「どうもありがとう」