もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
マイクのそばに座っていた女性司会者が立ち上がり、とても明瞭な、よく響く声で話しはじめた。
「ご歓談中に申し訳ございません。オーナーの香坂よりご報告がございます。香坂オーナー、どうぞ」
玲伊さんは席から立ちあがり、ゲストに向かって一礼すると、マイクに向かった。
それを合図に、音楽がやんだ。
「どうぞ、そのままお食事を楽しみながら、少しだけ、私にお耳をお貸しください」
彼の、張りのある声が会場に響き、会場中の視線が玲伊さんに集まった。
「ありがとうございます。この場をお借りして、いつもご愛顧いただいております皆様にご報告申し上げたいことがございます」
玲伊さんはそこで一呼吸おき、微笑みを浮かべたまま右から左へとゆっくり視線を動かした。
おもむろに話し声が静まり、皆、期待を込めた眼差しで玲伊さんの次の言葉を待っている。
「実は、わたくしごとで大変恐縮なのですが、8月末に結婚いたしました」
「ええっ……」という悲鳴に近い女性の声があちこちで上がり、会場は少しざわめいた。
「えっ? なんで! そんなこと、あるわけない!」
その中でひときわ大きな声をあげたのは、桜庭乃愛だった。
「ご歓談中に申し訳ございません。オーナーの香坂よりご報告がございます。香坂オーナー、どうぞ」
玲伊さんは席から立ちあがり、ゲストに向かって一礼すると、マイクに向かった。
それを合図に、音楽がやんだ。
「どうぞ、そのままお食事を楽しみながら、少しだけ、私にお耳をお貸しください」
彼の、張りのある声が会場に響き、会場中の視線が玲伊さんに集まった。
「ありがとうございます。この場をお借りして、いつもご愛顧いただいております皆様にご報告申し上げたいことがございます」
玲伊さんはそこで一呼吸おき、微笑みを浮かべたまま右から左へとゆっくり視線を動かした。
おもむろに話し声が静まり、皆、期待を込めた眼差しで玲伊さんの次の言葉を待っている。
「実は、わたくしごとで大変恐縮なのですが、8月末に結婚いたしました」
「ええっ……」という悲鳴に近い女性の声があちこちで上がり、会場は少しざわめいた。
「えっ? なんで! そんなこと、あるわけない!」
その中でひときわ大きな声をあげたのは、桜庭乃愛だった。