もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「ん、どうした? 岩崎」
頭にタオルをかぶったまま、玲伊さんは岩崎さんの顔をちょっと覗き込んだ。
「いえ、あの、桜庭乃愛が大人しくしてるかなと思って。何か仕返しをしてくるんじゃないかなとちょっと心配で」
玲伊さんは律さんの肩をぽんぽんと優しく叩いた。
「たぶん、大丈夫。彼女の家、それどころじゃなくなるから」
「どういうこと?」
わたしが訊くと、玲伊さんが答えた。
「いや、明日の週刊シュウブンに、彼女の祖父に関する記事が出るはずだから」
玲伊さんはある伝手から、桜庭茂三郎が国有地を破格値で手に入れたことを知り、週刊誌の記者の友人に情報提供していた。
「その裏が取れたと、連絡をもらったんでね」
どうも、ある大物政治家に賄賂を贈った見返りの便宜ということらしい。
「政界と財界の関わる大スキャンダル。久々の特大スクープになりそうだと、興奮気味だったよ。そいつ」と彼は満足気に頷いた。
「でも、それはあくまで彼女の祖父のことでしょう」と笹岡さん。
「ああ、もう一つ、手は打ってある。笹岡、秀ちゃんって知ってるっけ?」
頭にタオルをかぶったまま、玲伊さんは岩崎さんの顔をちょっと覗き込んだ。
「いえ、あの、桜庭乃愛が大人しくしてるかなと思って。何か仕返しをしてくるんじゃないかなとちょっと心配で」
玲伊さんは律さんの肩をぽんぽんと優しく叩いた。
「たぶん、大丈夫。彼女の家、それどころじゃなくなるから」
「どういうこと?」
わたしが訊くと、玲伊さんが答えた。
「いや、明日の週刊シュウブンに、彼女の祖父に関する記事が出るはずだから」
玲伊さんはある伝手から、桜庭茂三郎が国有地を破格値で手に入れたことを知り、週刊誌の記者の友人に情報提供していた。
「その裏が取れたと、連絡をもらったんでね」
どうも、ある大物政治家に賄賂を贈った見返りの便宜ということらしい。
「政界と財界の関わる大スキャンダル。久々の特大スクープになりそうだと、興奮気味だったよ。そいつ」と彼は満足気に頷いた。
「でも、それはあくまで彼女の祖父のことでしょう」と笹岡さん。
「ああ、もう一つ、手は打ってある。笹岡、秀ちゃんって知ってるっけ?」