もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「優紀……」
「起きてた?」
「ほんの少し前にね」

 そう言うと、彼はわたしの腕をひっぱった。
 そして、ソファーに重なりあって倒れこんだ。

「あん、玲伊さん」

 彼はわたしの首に手を回し、下から見つめてきた。

「初めてだね。優紀が自分からキスしてくれたのは」

「うーん、前にも、したことあったけど」
「あのときは、言われたからだろう。でも、今日は違った」

 その様子があまりにも嬉しそうだったので、わたしは身を屈めて、もう一度、唇を重ねた。
 
 はじめは大人しくわたしのキスを受けていた玲伊さんだったけれど、そのうち、ほのかにビールの味のする舌がわたしの口腔を這いまわりはじめて、形勢はすぐに逆転してしまった。

 わたしを抱いたまま、彼は起き上がり、逆にわたしの背をソファーに押しつけ、唇を激しく貪りはじめた。

 気が遠くなるほど長いキスから解放されたとき、わたしは囁いた。

「ねえ、疲れているんじゃなかったの?」

「今、少し寝たから平気だ」
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