もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「何、言ってるんだよ。悪いのは、面白半分に噂を広めた奴や、自分の立場を利用してきみをいじめた奴、そして同調した奴らじゃないか。恨むならともかく、自分に落ち度があったなんて思う必要はまったくない」
あまりにも強い口調に、わたしの体はびくっと震えた。
「やっぱり今回のモデル、どうしても優ちゃんにやってもらうから」
「えっ? だから無理です。人前に出るのが怖くなったって、今、話しましたよね」
「いや、今の話を聞いて、ますます気持ちが固まった」
玲伊さんはそこで一旦言葉を切り、わたしの手を取ると、自分のほうを向かせた。
「決して『人は見た目だ』って言いたいわけじゃないよ。でも優ちゃんみたいに対人関係で悩んでいるときには、ことさら外見が大きく影響することがあるんだ。たぶん、きみが思っている以上に。俺にまかせてくれれば、絶対、自信を持てるように変われるよ」
「玲伊さん……」
彼は時計に目をやり、よし、と立ちあがった。
「おいで。今言ったことが本当だって証明してみせるから」