もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「優ちゃん……そう言ってくれると嬉しいよ。藍子さんにお願いに行って、OKをもらったら、正式に紀田さんに連絡するよ」
「わかりました」

「うん、じゃあ、来週の火曜日の店休日にもう一度、店に来てくれる? 施設を回りながら、具体的に説明をするから」
「はい」
 
 というわけで、結局、というか、玲伊さんの思惑どおりというか、わたしは「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを引き受けることになってしまった。

 なんだか、うまく丸め込まれたような気がしないでもないけど……

 でも、最終的に決めたのは自分。
 引き受けたからにはちゃんとやるつもりだ。

 もう傷つきたくなくて、引きこもっていたい気持ちの裏で、玲伊さんの言うとおり、もういいかげん過去を引きずりたくないという気持ちもたしかにあったから。

 ただ、問題は……

 今より玲伊さんと頻繁に会うことになるから、彼への想いを隠し続けるのはかなり至難の業になるということなのだけど。

 いろいろな意味で、これからの数カ月、かなりハードな修行の日々になりそうだ。
  



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